この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
逆転満塁ホームラン!
第13章 バタバタの一週間

「そりゃ本当の気持ちで言うなら、今直ぐにでも自分の女にしてえし球団スタッフも辞めさせて家庭に入ってもらいたい。そうなれば他球団の選手に好かれる事もないし」
笑えてきそうだ。
確かに吉瀬ちゃんは持ち前の底抜けに明るい性格としっかりした長女気質も有り他球団からも人気だけど……
コイツ、前の中日戦の時にナゴドの裏で野崎さんが吉瀬ちゃんに抱きついて『吉瀬ちゃん!会いたかった!!』ってはしゃいでたの、相当根に持ってるのかもな。
松本も満更ではなさそうだし──。
「アイツだけを抱きたいし、他の女に金使うならアイツに精一杯いい思いさせてやりたい。」
「でも、そんなん付き合ってもない俺が言うなんてダサいし気持ち悪いやん。アイツは俺の事を嫌いではないやろうけど、俺が告白出来てないって状況も踏まえると尚更」
「じゃあさっさと告白して自分の女にすればいいじゃん?吉瀬ちゃんはお前も知ってるだろうけど、かなりモテるし住友も松本も満更じゃなさそうだべ?」
「──、お前アイツの夢知ってる?」
「夢?吉瀬ちゃんの?」
「アイツの夢はウィングスに日本一とリーグ優勝の舞台に連れてってもらうことやねん。」
「スタッフとしての仕事をしやなアカンのに、ナチュラルハイの俺達にビール掛けられたりして『やめてよ〜』とか言いたいって。」
えらい具体的な話しだなあ、おい。
でも吉瀬ちゃんが目をキラキラさせながら、そんな事を言ってるのは容易に想像出来る。
普通なら要らない気使って、そんな事を言わないのが女だろうし球団スタッフなんだろうけど……良くも悪くも自分の気持ちに素直で感受性豊かだからこそ、俺や天草以外の選手からも精一杯可愛がられてるんだと思う。

