パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第4章 始まりの夏(残暑)

町坂翔也は、夏休みが終わった9月の登校初日の１日を終えようとしていた。
ホームルームの最後にくじ引きによる席替えが行われている。

翔也に席のこだわりはそれほどなかった。
開放感がある後ろの方の席になればどちらかというと有り難いと思う位であった。

くじの結果は翔也の席は真ん中付近の列の一番後ろから数えて２つ目の席であった。
大きな音を立てて皆が机ごと移動を初めていた。
次第に新たな位置に皆が落ち着き始める。
翔也の一番の親友とは今回も席が近くないようであった。

「ゴメンね、申し訳ない」

１人机の移動の流れに遅れた女子生徒がいた。
皆嫌な顔をせずその子の為に道を開けている。

彼女は翔也の前まで来るとそこで机の位置の微調整を行っている。

机が整え終わると振り返って翔也の顔を見て小さく微笑んだ。

彼女は一言「よろしくね」と翔也に声をかけて、前を向き椅子に座った。

予期していなかった席替えの結果に、翔也は少しの胸の高鳴りを感じていた。