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第3章 新しい世界で

「皇帝陛下、万歳、万歳」

時は過ぎ、盛大な催しが行われていた。
位の高い文官・武官はもちろんのこと
皇后・前皇帝も参加している。
この顔ぶれだけなら例年と一緒だ。
しかし、今回は違う。
側室・正室が座る位置に麗がいるからだ。

「皆、我の為にこのような催しを
行ってくれたことに感謝する」

「はい、皇帝陛下。ありがたき言葉
でございます」

「よって皆に、報告したいことがある。
麗、私の隣へ」

急に呼ばれた麗は驚きのあまり皇帝に
視線を向けると、席を立ち階段を降りて
きた。麗もそれに続くように歩き始めた。

皇帝は麗の手を握り、元いた場所に来た。

「麗は我の子を身籠った。よって
貴妃に昇格させる。異論は許さぬ。
誰であろうと、貴妃を侮辱するような
ことがあれば分かっているな」

「はい、皇帝陛下。麗貴妃、万歳、万歳」

皇帝陛下の側近達は麗が妊娠していることに
気づいていたが、まさか貴妃に昇格するとは
思ってもみなかった為、驚いた。
しかし、今まで側室の一人もいなかった
陛下に一途に思う方が出来たのは
喜ばしいことであった。