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官能的大恋愛
第1章 幸せを感じる時
「どっこらしょっと…」

晩御飯は質素な物だ。

まぁ、文句は言わないけど。

「そういやぁ、トシコの同級生の○○ちゃんのお家、二世帯完成したそうで、夕方見てきたよ。そら立派だった」

父は勤務時間が短くなり、昔よりも早い時間帯に帰宅する。

私や弟の同級生たちが、家を建てたとか、リフォームしたとか、マンション買っただとかばかりの話をやたらとする。

何が言いたいんだ。

私は知らん顔して、食事をする。

「土地があそこは有るからね、○○さん所の息子さんも、秋ぐちに新築で二世帯だって、お父さん」

「親孝行だなぁ、みんな」

はいはい。出た出た、親孝行。

親が言うな。

「ここの古い家もリフォームしたいなぁ」

味噌汁をすすりながら、私は無視してテレビを見る。

「あの子は、そうするつもりでいるから、もう少し辛抱してよ、お父さん」

「孫と嫁と家族揃って新しい家で、晩御飯食べる日が、生きてる間にありゃいいのになぁ」

孫?嫁?息子に新しい家?

生きてる間に親孝行?

こういう話って、いい加減にヘドが出るんですけど。

「悪かったね、お父さん。私が居るもんだから、なんもお父さんの思い通りにならないもんねぇ~」

私はバタリと箸を、テーブルに叩きつけた。

「こら、あんた!何て言い方するの!」

「昔はイイコ、イイコされて、お重箱で育て上げられてるから。なかなかの世間知らずで、嫁の貰い手も無い訳さ!すいませんねぇ!」

私は母を睨み付けた。

「何でもかんでも親のせいにしなさんな!」

母も負けじと私に怒鳴りつける。

「お父さんは、早くお前にも幸せになって貰いたいと思ってるんだよぉ」

父は穏やかに言うけど。
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