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第9章 小池の悩み

『でも結城課長…部長。
まずは誰か上の方が取らないと
俺らは取りずらいっすよ。』


確かにそうだろう。
明日から調整して取れと言ったけど
みんなすぐには予定がたたない。


「朱里明後日の予定は？」

「ここは会社です！
明後日は…特にアポはないので社内にいると思います。」



予定はないのか。
じゃ、明後日は朱里の実家に行って
隣の土地に家建てることを考えてることを報告しよう。


「分かった。

じゃぁ、明後日俺と朱里は有給をとって
結婚の準備をするために休みます。
だからみんなもアポを考えて調整して
有給とってリフレッシュするように
お願いします。」


部内ではザワザワと声が聞こえるが
有給は働くものに与えられているもの。
会社がとるなと言っていた訳では無いが
昔からの感じで取りずらくなっていたんだろう。


改めて上に立つと見えてくるものがある。
有給をとれと言ったことで少しは
みんなの表情が明るくなった気がした。

けどある1人だけはまだ顔色が悪い。
とりあえず会議室で話を聞こう。


「小池会議室いいか？」


はい。返事をし会議室に向かう中
俺は朱里の肩を叩いて会議室を指さした。