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第7章 別れ

暫く無言で居たら、遥斗が淋しそうに頷いた。

「ゴメン、今日はもう帰ってくれる？
俺は俺で、今の話をもうちょっと咀嚼したい」

そう言うので、私は断る事も出来ず、遥斗に促されるままに彼のアパートを出た。

家に帰る道すがら、ずっと考えていた。
私は一体、どうするべきなのだろう。
いや、本当は分かっている。
肉欲を捨て、遥斗の所に行くべきなのだ。
ただ、今まで身体の髄にまで染み込まされた快楽の記憶はそう簡単には消えない。
またいつ、男を求めて遥斗を裏切ってしまうか自分でも分からない。
でも、やっぱり遥斗を失うのは嫌だ。
別れを告げた後でそんな事を思うのも変だと思うが仕方がない。
だって、心が求めているのは遥斗だから。

それで、やっと決心が出来た。
卒業と共に家を出よう。