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第11章 Travel

『ナツ、タオル巻いたままお風呂入る気？』

『え？あかん？』

『まぁあかんやろうねぇ』

彼女は少し黙り込む。

『まぁええやん
僕等2人だけなんやし
早くタオル取っておいで』

最初からタオルなんて
巻いてなかった僕は早速湯船に浸かる。

『はぁ〜〜っ気持ちい〜っ』

わざと大きい声を出し彼女を焦らせる。

『…あっち向いてて』

今更何を照れているのか
しかしこのままでは
風邪を引きかねないので素直に従う。

ちゃぽ…。
彼女は僕にくっ付く様にして入ってきた。

2人でも充分
足は伸ばせる広さなのに
よっぽど見られたくないのか。

僕は彼女に寄りかかる。

『もー苦しいやん！くっつかんで！』

そう僕を諭すように背中を押し返す。

『このままやとナツ潰してしまいそうや』

そう笑うと

『じゃあじっとしてて』

どうしても僕の前には来る気がないようだ。