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第12章 Trick or Treat

『さ！シュージもやるで！』

そう言った彼はテキパキと
僕を変身させていく。

出来上がった僕は鏡を見て緊張した。

青白い顔
青と緑が混ざったような
綺麗な色のコンタクト

唇は真っ赤に染まって
歯には付けた牙が光る

『バンパイアは紳士やからな！
あんまり汚い化粧より
セクシーな方がええやろ！』

そんなことを初めて聞いた。

ニンニクと十字架が苦手な
人の生き血をすするオバケは

今では妖艶な色をまとった
儚い紳士という位置付けらしい。


『僕、あんま変わってへんけど、
おかしくない？』

そうアツシに訴える。

『いいと思うけどなぁ〜ならこれ噛み！』

そう言って渡して来た赤い玉

『ええか？
飲み込んだらあかんで！
口から溢れださすんやで！』

難しい注文だ。

しかしながら好奇心が勝った僕は
言われた通りにする。

プチっ

そう音がしたと思えば
口から血のように溢れ出す液体。