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第12章 Trick or Treat

カシャンっ！

『いたっ！』

僕の右手首に軽い痛みが走る。
みると彼女は手錠を僕に嵌めていた。
カチカチっと緩みを調整すると

『捕まえた』

そう言って口角を上げて微笑んだ。

僕をオモチャにする気だ。

空いている手錠を彼女の左手にかける。

カチカチカチカチっ

腕が細いから抜けそうだ。

彼女は左手を上げて
ムッとした顔で僕を見る

『なんであたしにまですんねん』

彼女が左手を上げたまま
ぷらぷらするから

僕の右手も上がって一緒に揺れる。

『逃したくないから』

そう言うと彼女はフッと笑って

『しゃーないな』

と言った。


結局23時を回って解散となった。

僕は彼女と手を繋いで歩く。

いつもと逆の位置なのは
2人が手錠で繋がれているから。