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第5章 敵国の王子さんは今日も絶倫

指先の動きの速さが増す。
まだ滑りはたっぷりとその箇所を覆っていた。
強く早く擦られても、その滑りが、まだ成熟していない部分でも痛めることなく、快楽だけを与え続けた。
身体の震えが止まり、また身体が張りつめ、なにかが頭まで昇ってくる。
「ああっ……ああぁっ！」
「お前に、私に命令させる機会を与えよう……一言、私に、やめろ、と言ったら止めてやる……このようにな……」
マランの指がまた股間の中で止まった。
ディアナの身体の張りがなくなる。
震えが止まらない。
身体が刺激を絶たれたことに不満を訴えている。
ディアナの心の中に、怒りのようなものが生まれた。
それは、マランが指の動きを止めたことに対してか、それともその怒りを持ったことに対する自分への怒りか……。
「ほら……やめろ、と言ってみろ！」
マランの指がまた動き出す。
「ああっっ！」
ディアナが首を横に何度も振る。
「お前が、やめろと言わなければ、お前は罪深く、穢れるのだぞ！　いいのか！　どうなのだ！」
ディアナは髪が左右に何度もなびく。