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振り向けば…
第17章 遠い過去…



日下先輩も私には悠真が邪魔なんだと言った。

お母さんも今更、悠真を邪魔扱いする。

私と悠真の事はそっとしといて欲しい。

私と悠真の世界だけは誰にも触れられたくない。

悠真の部屋の前で深呼吸をする。

悠真の前では笑ってたい私。


「悠真ーっ!」

「おうっ…、来たか。今日は遅かったな。」

「ちょっとした残業があったし、家で着替えて来たからな。」

「飯に行こうぜ。」


悠真が私を連れて家を出る。

私が遅い日は外食にしてくれる。

明日の休みは掃除や洗濯をして、悠真のご飯を作ってやるのが私からのお返し。

今夜はお寿司だった。


「日下先輩が結婚するんやてな。」


まさかの悠真の言葉だった。


「聞いたんか?」

「玲奈さんからな。拓也さんが来るから俺は招待が出来ないってなんべんも謝ってたわ。」

「そうか…。」

「気にする事ないのにな。結婚式に呼ばれたって、こっちが祝いせなあかんから気い使うだけや。」


悠真は逆に招待されん方が良かったと笑ろうてる。


「でも、玲奈さんのウェディングドレスは写メしてくれよ。」

「わかってる。」

「玲奈さんは美人やもんな。めっちゃ綺麗な花嫁姿を見せてくれるぞ。」

「だよね。」


8月にある結婚式…。

そのままお盆休みに新婚旅行に行く予定だからだ。


「来夢も玲奈さんを見習えよ。」

「美人は見習ってなれるもんじゃありません。」

「メイクとか玲奈さんは一流やったやんけ。」

「ガテン系女はメイクの勉強の必要がないの。」


悠真とふざけて笑いながらご飯を食べる。

この時間だけは失いたくないと思う。


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