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振り向けば…
第17章 遠い過去…
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「そりゃ、僕は社長ですから、仕事を選ぶ権利ってのがあるんですよ。」
平社員の私を馬鹿にする。
「贅沢は敵や!」
「ほな、岡山は貧相なラブホでええんやな。」
岡山で予約した旅館は温泉旅館。
しかも夕食はすき焼きの食べ放題。
「贅沢させて下さい!お代官様。」
「うむ、苦しゅうない。」
ふざけてじゃれあって歩く僅か5分の道のり…。
「なぁ、来夢…。」
「なんや?」
「お前、ほんまに可愛くなったよ。だから、拓也さんにも堂々と自信を持ったらええやんけ。」
再び拓也さんを傷つけてまうかもと恐れてる私に悠真は気付いてた。
「そんなんちゃう。今は仕事が恋人なだけや。」
「ええ男を逃してまうぞ?」
そうかもしれない。
だけど、きっと後悔なんかしないと思う。
「今は…、これでええねん。」
ニヤリと笑って悠真に言うてやる。
「明日からはまたガテン系姉ちゃんの道か?」
「ぼーそーぞくやからな。」
「身体だけは壊すなよ。」
最後まで私の心配をして悠真が手をヒラヒラとさせて来た道を帰ってく。
再び、家に帰るとお父さんとお母さんが玲奈さんの結婚式はどうだったと興味津々に聞いて来る。
「これが和装、こっちがウェディングドレス。どっちも悲鳴を上げそうなくらい綺麗だったよ。」
興奮をして写真を見せながら報告する。
「来夢はやるとしたら、どっちをやりたいの?」
お父さんが燕尾服だけは嫌だと言った為に和装だけだったお母さんが必死に聞いて来る。
「どっちも憧れるよねぇ。玲奈さんが本当に綺麗だったもん。」
私がそう言うた瞬間だった。
「来夢はまだ嫁には出さん!」
とお父さんが叫び出す。
私の花嫁姿が夢だけど、リアルな話になると嫁に出すのは嫌ならしい。
まだまだこの家の子で居るよ。
お父さんが大好きな私はお父さんが嫁に出しても大丈夫だと納得する彼氏じゃなければダメなんだと、なんとなく悟った日だった。
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