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振り向けば…
第19章 ここまでだな…
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やはり地方戦という事もあり、意外と地味な試合が続く中、悠真が面白そうだと言う試合が始まった。
随分と小柄な男の子…。
かなり若いけれども、身体はかなり鍛えられていて筋肉に盛り上がりを見せている。
対するは、ひょろひょろと痩せたおじさん…。
40歳は過ぎてる感じ…。
「多分、若い方が勝つに決まってるよ。これのどこが面白いの?」
悠真に確認する。
「若い方はまだ、中学生だぞ。相手は元日本チャンピオンってベテランだ。」
「中学生!?」
「もし、中学生が勝ったら天才だな。」
ニヤニヤとする悠真…。
中学生の男の子は元気(げんき)という名の本当に元気な男の子…。
髪はウルフスタイルでラインアートまで入った、やんちゃな男の子がまだ中学生。
「あれって、学校で校則違反にならんのかな?」
私と悠真が行った学校では絶対にしてはいけない髪型だとか考える。
「お前が見るポイントはそこか?」
「あかんの?」
「いや…。」
悠真がもごもごと口篭る。
悠真とは対象的に少し派手目のお姉さん達がリングに上がった元気君に向かって
「元気君ー!」
「頑張れー!」
と黄色い声を上げてる。
まだ中学生なのにファンが付いてる?
チケット自体が身内にばかり配られる地方試合だから意外と女性客が多いと思う。
本物のプロの試合に中学生が出てるのだと実感が湧くと確かに面白いかもとワクワクする。
試合は一方的に元気君が攻撃をしてた。
なのに…。
「ここまでだな…。」
そう悠真が呟いた。
「なんで?」
「単純に大人と子供の違いや。高校生になれば、また違うんやろうけど、所詮は中学生や。」
そんな言葉を聞いた瞬間に形成が逆転した。
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