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振り向けば…
第21章 喋れば変態…
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素敵なデートをして貰ろうとるのに帰れると思うと安心する女って最低だとか思う。
私は最低な女…。
身体が疼くからと自分を慰める下品な女…。
勝手な時だけ悠真に抱かれたいとか拓也さんに抱かれたいとか妄想する淫乱な女…。
拓也さんが運転をする車が家の前に着く。
頭の中は早く車から降りたいとばかり考える。
「また、会えますか?」
「……。」
「今更かもしれません。でも、僕は来夢と…、来夢さえ良ければもう一度やり直したいと思ってます。」
拓也さんに相応しくない女は返事が出来ない。
私は最低な女だから…。
「ごめんなさい…。」
かろうじて、その言葉だけが言えた。
「来夢が辛いならいいんです。でも、僕とは良き友人であって欲しい。」
「はい…。」
誠実で爽やかな拓也さん…。
握手を求められて爪の泥が気になる手で微妙な握手を交わしてた。
車から降りて走り去る拓也さんの車を眺めてから、家には入らずに悠真の家に向かった。
「こんな時間にどうしたー?今夜は拓也さんとデートって言うてなかったかー?」
突然の私の登場に仕事部屋から悠真がのんびりとした声を出して出て来る。
クリスマスなのに…。
無精髭を生やしてボサボサ頭で仕事をしてた悠真。
悠真のだらしなく伸びたトレナーの裾を掴む。
涙が出た。
一度、溢れ出した涙は簡単には止まらない。
「何があった?なんかされたんか?」
悠真の目付きと声のトーンが変わる。
私を守ろうとする時の悠真。
龍平おじさんを感じる時の悠真。
「た…くやさん…、とは…、付き合わない!」
それだけがかろうじて言えた。
後は悠真にしがみついて、わんわんと泣いてた。
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