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振り向けば…
第22章 贅沢…



高速を車が走り雪景色が少しづつ消える頃…。


「ええ誕生日やったか?」


そない悠真が聞いて来る。


「うん…。」


真っ白な雪に私の思い出と足跡はしっかりと刻む事が出来たとか思う。


「なら、俺の誕生日もよろしく。」

「悠真の誕生日?」

「来夢さんのパイパンに期待する。」

「ふざけんな…。」

「ふざけてない。パイパンでスクール水着とか…。やばい…、それをローターで弄り倒すとか考えたらめっちゃ興奮する。」


私の方はかなり幻滅する。


「絶対にお断りや。」

「ええー?ほな、パイパンでオナニープレイを俺に見せるってのは?必要なものは全て揃えたる。」

「断る!」

「そういう事してくれる女って…、世の中には存在せえへんのかなぁ…。」


当たり前じゃ!

嘆く悠真を見て、こいつを愛してるとか思うたんは勘違いやなとか考える。

変態はお断り。

悠真の妄想に付き合うのは無理!

私が呆れてる間に車は私の家の前に着いた。


「明日、行くから…。」


悠真が私にそう言う。


「うん…。」


そう言うて悠真の車から降りた。

明日は大晦日。

悠真がお母さんとうちに来る。

お正月はそうやって、いつも一緒に過ごして来た。

すき焼きやしゃぶしゃぶなどの鍋を囲みながら紅白を見るのが我が家の大晦日。

お父さんの会社の従業員や、その家族も来る。

取り引き先の社長さんなども挨拶に来たりする。

子供の頃は、その人達からお年玉を貰っては退屈だからと家を飛び出し、初詣をやってる神社で悠真と屋台を楽しんだ。

いつもと変わらないお正月が来る。

だから私と悠真の関係も結局はいつもと変わらないのだと思いホッとする私が居た。


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