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振り向けば…
第23章 雨や…



「ゆう…。」

「ん?」

「私は…、なんなん?」

「家族、今は一番大事な女。」


まるで告白…。

それでも悠真の中で私は恋人じゃない。

家族でええよ…。

そう自分に言い聞かせる。

家族だから悠真は私の傍に居る。

家族だから悠真は私を甘やかす。


「飯、作ってくれや。買い物にでも行こうぜ。」


泣き止んだ私を連れて家を出る。

今夜は悠真の好きなものばかりを作る予定。

ハンバーグ、ポテトサラダ、卵焼き、大根と豆腐のお味噌汁。


「後は?」

「お肉屋さん…。」


荷物は必ず持ってくれる。

財布は悠真に渡される。

悠真の誕生日なのに…。

買い物に行くと必ず私に悠真の財布を預けて来る。


「今田と森本さんやん。」


商店街のお肉屋さんでそんな声を掛けられた。

誰だろう?

私だけがわかってない。


「肉屋を継ぐんか?肉屋。」


悠真の言葉に驚いた。


「肉屋?」


肉の早川だ。


「ちゃうわ。親父の具合が悪いから、休日だけ手伝う事になったんや。」


早川君がすっかり大人になってる。

ニキビだらけでなんとなくだらしない男の子だったイメージしか覚えてない。

今は普通の肉屋さんに見えるから不思議だ。


「お前ら、やっぱり結婚したんか?」


早川君にそう聞かれてアタフタとする。


「いや、結婚とかしてないぞ。」

「なら、相変わらずって事か?」

「来夢は家族やからな。」


悠真と肉屋がそんな話をする。


「何が欲しいねん?」

「合い挽きを500g…。」

「ほいよ…。」


私が注文したお肉を用意しながら肉屋が色々と話をする。


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