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振り向けば…
第25章 深いよ…



レンタカー屋さんは市内はすぐそこだと悠真に言うたのに…。

かれこれ30分近く借りたレンタカーでナビの指示通りに走ってる。

だけど全く街らしいものが見えて来ない。


「お昼…、食べれるかな?」


空港内にはお洒落なレストランがたくさんあったし、お土産物屋さんもたくさんあった。

だから都会感覚なのだろうと思うてたのに…。

お店らしいお店が見当たらない道路に不安が募り始めてまう。


「とにかく市内に入れば大丈夫だろ?天文館とか観光で有名な地域やし。」


夜の街で有名な天文館だと悠真がニヤニヤとして私に説明をする。


「お酒、飲めへんくせに…。」

「俺は飲めるよ。付き合いがあれば飲むようにしてる。けど来夢と飯食う時は飲む必要ないやろ?」

「悠真…、飲めるんか?」

「当たり前やんけ。仕事で必要な時は飲んどる。」


知らなかった。

私と居る時には一度もお酒臭くなる悠真を見た事がないから…。

そうこうするうちに車は海沿いに出て大きな街が見えて来る。


「桜島や!」


煙りが上がる島が見えて来た。

フェリーに乗って15分で桜島に着く。

そのフェリーで食べるうどんが美味しいと評判のフェリー…。


「うぎゃー!15分で食べれるんか?」

「残したら俺が食うたる。」


慌て気味で食べたうどんだから味わう余裕は全くなかった。


「桜島って結構、広いんや。」


それが第一印象。

展望台まで車で10分以上はかかる。

その日は晴天で桜島は比較的に静かな日。

色々と展望台の探索をした後で悠真が


「ちょっと見てみたいものがある。」


と言い出した。

悠真が向かった先は神社…。


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