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振り向けば…
第4章 笑ろたれや…



プールの1件から悠真がやたらとうちに来る。


「花火大会に行こうぜ。」


とか…。


「DVDでも借りに行くか?」


って感じだ。

そのたびにうちのお父さんが私にお小遣いをくれる。

お母さんはそれに対して嫌な顔をする。


「どうせ、全部悠真が払うてくれるからお小遣いは要らないよ。」


私の貯金ばかりが増えていくだけだからお父さんにそう言うた。


「たまには来夢が奢ったれ。」


お父さんがそう言うて笑う。

意味がわからない。

仕方がないから悠真と行ったレンタル屋で


「今日は私が払うわ。」


と悠真に言うてみた。


「………。」


何故か悠真が無言になる。


「なんやねん?」

「女に払わせるのは俺の主義じゃない。」


悠真のお母さんから貰ろうとるお小遣いで偉そうにするなと言うてやる。


「ちゃうぞ…。アパート管理のバイトで稼いだ金や。」


初めて悠真がバイトをしてる事実を知る。

うちのおじいちゃんのアパート…。

毎朝、アパートの周りを掃除して、アパートの修繕が必要な時におじいちゃんに知らせるのが悠真の仕事らしい。

その程度のバイトだけど悠真は毎月、おじいちゃんから給料を貰ろうてると私に言う。

だからなんでも私に奢る悠真が居た。


「やっぱり今日は私が払うよ。」

「だから要らんて…、来夢の金は来夢が使いたい事に使えや。」


悠真が笑うて拒否をする。

だったら悠真の誕生日になんか買うてやろうと初めて思うた。


「DVDは何にする?」


大概の映画は観た。


「これは?」


パニック映画…。

地球が壊れる最後の日。

あなたは誰と居ますか?

そんな感じの映画だった。


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