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振り向けば…
第5章 悔しいけど…



ブレストとは思えない速さで黒田先輩が泳ぐ。

何よりも凄いのが溝口先輩…。

ダイナミックなバタフライ…。

飛んでいる…。

水飛沫の中を巨大な蝶が飛んでいる。

とても綺麗だと思うた。

水泳になんか興味がなかったのに…。

水飛沫をキラキラと跳ね上げて泳ぐ先輩達がとても綺麗で惹き込まれる。


「今日はもういいか。」


溝口先輩がそう言って音楽を流し出す。

まだ部活の時間なのに2年生はプールサイドでパラパラを踊り出す。

泳いでる時の方がカッコ良かったのに…。

私はそう思うけど、校舎やプールの金網の外には学校中の学生が集まって来て先輩達のパラパラを見て口笛を吹いたり拍手が送られる。

変な水泳部…。

でも皆んなが私には優しくしてくれるから、ずるずるとマネージャーをやってた。


「ねぇ…、裸のイケメンに囲まれてる部活ってどんな気分?」


昼休みにお弁当を食べながらニヤニヤとして美保が聞いて来る。


「別に、普通だよ。」


冷やかしが苦手な私は話を濁す。


「女子部員は居るのか?ピッチリ水着にムチムチボディを感じさせるような女子部員。」


いきなりパンを齧りながら悠真が話に入って来る。


「残念だけど女子部員は1人も居ないよ。」

「マジか!?乳首が透けて見えるとかなら毎日でも見学に行くのに…。」

「見える訳ないでしょ!?」

「股間の割れ目もか?」

「変態!向こうに行けっ!」


私がそう言うとすごすごと悠真が私から離れる。


「森本副委員長に下ネタとか無理無理ーっ!」


悠真に向かって黄色い声が飛ぶ。

あっという間に悠真が女子に囲まれて悠真は


「慰めてくれる人、募集っ!」


とか馬鹿な事を言うては女子達に抱きついてる。


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