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振り向けば…
第8章 お前と同じ大学…



3年生…。

進学クラス…。

受験の事しか考えない。

はずだったのに…。


「来夢、お前、応援団に強制な。」


悠真がそんな事を言う。


「はぁ?なんでよ!?」

「お前、推薦はほぼ確定やろ?しかも応援団は経験済みやんけ。」


美保が女子団長だから断るに断れない状況に悠真が私を追い込む。

今年は悠真が団長になる。

しかも、またしても紫組…。

推薦が確定とはいえダンスの振り付けを覚えたり、衣装の裁縫をする夏休みにうんざりとする。


「悠真の衣装は?」

「要らん。」


悠真がニヤニヤとする。

他の女の子に縫わせるんか?

そう思いながら自分の衣装を縫う。

今年の紫のテーマは『80年代』。

女子は裾が広がる短いフレアワンピースにポニーテールという出で立ち。

男子は何故か特攻服…。


「ごめん、来夢…。私とのパートを変わって…。」


美保が私に頭を下げる。

美保が女子団長だから悠真とは美保が踊るはずだったのに、美保のインターハイ出場が決まってもうたから練習時間がないと言う。

美保は大阪大会3位。

2位の選手が怪我をして繰り上げ出場が急遽決定したからスケジュールが大変な事になる。

それでもインターハイ出場という看板は大学推薦に有利になる。


「美保…、頑張れ!」

「ありがとう。」


最近の美保が綺麗になった。

今や学校No.1美女とまで言われてる。

1年生や2年生の男子までもが美保を見ると赤い顔で頭を下げる。

テニスに夢中で生き生きとする美保がとても綺麗で羨ましいとか考える。

私の方は…。


「お前っ!俺の足を踏むな!」

「ちょっと当たっただけやんか!」


相変わらずの悠真との身長差で踊る事に今回も苦労する状況が続く。


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