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愛里 ~義父と暮らす小学六年生~
第7章 体いっぱいの『気持ちいい』
 家族三人での豪華な食事は美味しかったし楽しかった。

 綾香が張り切り過ぎて食べきれないほどの料理を作ってしまい、みんなの腹をぱんぱんにしてしまったが、美味しい料理は無理しなくても食べきることが出来た。

「明日には帰っちゃうのよね」
「うん。慌ただしくてごめんね。ていうかさ、帰ってくるのはこっちで、大阪には行くんだよ」
「あら、本当ね。ごめんなさい」

 食後のお茶を飲みながら、夫婦の会話がはじまった。他愛のない会話に綾香が笑い転げる。
 愛里は気をきかせてご飯のすぐあとで苦しくはあったが先に風呂に入ることにした。

 本当は今すぐにでも抱いてほしい。セックスをしてほしい。
 それでも夫婦の時間は大切だとは思う。綾香の顔を見ていればそう思う。

 だから子供ながらに気をきかせた。

 風呂好きの綾香に似て愛里も風呂が長い。幸彦が再婚後最初のクリスマスの日に二人が喜ぶだろうからとお風呂用テレビを買ってくれてからさらに長くなった。

 今日も湯船に体を伸ばしながら、年末のネタ番組を見ていた。愛里が好きな芸人も出ている。

 しかし今日はそのテレビに全く集中出来なかった。

 明日には幸彦は大阪に戻ってしまう。そして今夜は綾香と一緒に寝るはずだ。
 どこかで幸彦と二人っきりになれるだろうか。どうにかしてセックスしてもらえるだろうか?

 愛里はそればかりを考えていた。

 そのせいでいつもより長く時間がかかってしまった。
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