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堕ちる
第1章 1
先ほど、消しゴムを探してテーブルの下を覗いた時に偶然見えてしまったのと同じ、黒地にレースの装飾が施されたパンティが露になった。

「ちょっと、やめてくださいっ」

僕は膝を立てて、その中に顔を埋めると、更に手で頭を抱え込んだ。

スカートの中は、見てはいけない。

偶然見えてしまったものは仕方ないが、見えるからと言って覗き続けてはいけない。

自分に、そう言い聞かす。

しかし――

女性の方が、意図して見せつけている場合はどうなのかと、ふと考えてしまった。

「長谷川……見たくないの?」

江藤さんの声。

見たいとか見たくないとか、そういうことではないと、僕は心の中で叫んだ。

「私は、長谷川に見てほしい。スカートの中も、パンツの中も、全部……」

パンツの中――

スカートの中を見てしまうことについて、やきもきしている僕に、江藤さんは更に衝撃的なことを言ってのけた。

「そんなの、いけません」

「どうして? 私は見てほしいんだし、長谷川もちょっとくらい興味あるでしょ? だったら我慢しないで、好きなだけ見ていいんだよ……」

僕の理性を優しく解きほぐすかのような、甘い声。

僕は、頭から手を下ろし、そっと顔を上げてしまった。

江藤さんの、白くて滑らかな太ももの上で、小さく映える黒いパンティ。

女性が身につけているパンティを、こんなあからさまに、はっきりと見たのは生まれてはじめてだった。

「どう、長谷川。よろこんでくれる?」

訊ねられるが、僕はなにも答えられず、でもパンティは見続けた。

「長谷川、上も見て」

江藤さんの声。

僕は意図せぬまま、江藤さんの体に沿って視線を上げる。

すると、江藤さんが着ているシャツのボタンを片手で外しているところだった。

すでに、ブラジャーは丸見えになっている。

やはり黒地にレースの装飾が施されたブラジャー。

そのブラジャーを押し上げている、大きな胸の谷間も見て取れる。

ふと、江藤さんが腰を下ろし、谷間が僕に近づいた。

近くで見ると、大きさ故の迫力と柔らかそうな質感、艶かしさが僕を取り込んでくる。

もう、目を離せなかった。

「触っていいよ……」

僕の耳元で江藤さんが囁く。

手を取られ、江藤さんの胸元へと引き寄せられた。
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