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旧家のしきたり
第2章 嫁試し
「すごい! 立派な門ね」

美穂は目を細めながら瓦で葺かれた門の屋根を見上げた。

「まあね。古い家だからね」

僕は車のトランクから二人分の衣類を詰めたキャリーバッグを引っ張り出すと、美穂の隣に立った。並んで見上げる。

子どもの頃から見慣れている門だが、今日ばかりは雰囲気が違って見えた。僕たちの行く手に立ちふさがっている……そんな感じだ。

いつもはおっとりしている美穂の表情も、今日は硬い。

「緊張してる?」

「う、うん……お母さま、私のこと気にいってくれるかな」

「美穂なら大丈夫だよ。さあ、行こう」

僕たちは、揃って門をくぐると、石畳の上を母屋へと向かった。小道の両脇には、よく手入れされた庭木が並んでいる。間から時折顔を見せる白い花が、ちょっとだけ心を和ませてくれる。

旅館のような玄関の大きなガラス戸の前に立つと、美穂は服装を軽く整えた。シックな白のワンピースにベージュのノーカラーのジャケットのコーディネート。清楚な美穂によく似合っている。

「いい?」

僕が尋ねると、美穂は大きく深呼吸をしてから頷いた。僕は、ガラス張りの引き戸を開けた。

「ただいま」

家の奥に向かって大きな声で呼びかける。

「はあーい」

返事と一緒にパタパタと足音が聞こえた。

「坊ちゃま! ようお帰りになりました」

古くからの女中の佳子さんが現れた。満面の笑みを浮かべている。

「佳子さん、ただいま。元気そうだね」

「坊ちゃまもお変わりなく、お元気そうで」

「紹介するよ。こちらは上山美穂さん」

「上山です。よろしくお願いします」

「飯田佳子です。小さい頃から坊ちゃまのお世話をさせていただいています」

佳子さんは、口元をほころばせながら僕の顔を見て、「きれいな方ですね、坊ちゃま」と囃し立てるように言った。

「さあさあ、どうぞ上がってください。奥様も首を長くしてお待ちです」

僕たちは正面の大広間に通された。母がいつも客と会うときに使う部屋だ。

僕は美穂と並んで座り、母が来るのを待った。美穂の顔が緊張で強張っている。僕も掌に汗をかいていた。
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