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会えたから
第3章 リョウ
「松田さんってヤスん家の近くでしょ?太鼓橋駅?」

「うん」

「駅まで歩き?」

「そう。坂だから自転車だと帰りがしんどいんだよね」

たわいもない会話をしながら歩く
人見知りの私にしては驚異的に話している
自転車道から駅までは歩くと40分あまり
普通なら苦痛だが、あっという間に着いてしまった

「今日は無理言ってごめんね」謝ると

「全然。明日も一緒に帰ろうぜ?」

「いいの?」

「松田さんがいいなら」

「はいっ!」

「じゃあな」リョウ君は爽やかに去って行った


ニヘニヘしながら電車に乗る私
「明日。。も。。」

随分後でわかったのだが、ヤスとノリちゃんはわざと先に帰ったらしい。「二人きり大作戦」だったそう。
リョウ君は薄々分かっていたみたいだが、鈍い私は全く分かっていなかった
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