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会えたから
第30章 パリピーー
「入っていい?」
「あ、いいですよ。どうしたんですか?」
「泣きそうな顔してたから、様子を見に来たんだ」そう言って社長は椅子に腰掛けた
椅子が一つしかないから私はベッドに座る

慣れた手つきでドンペリを開け、グラスに注いでくれ「乾杯」と言って社長は一気に飲んだ
私も釣られて飲む。「美味しいです」

「やっと笑ったね」

「でも、どうしてですか?」

「そうだなー。会長が難しいのは前から知ってるしねーー。泣いてた?」

「はい。でも悔しくて。会長の事は存じていたのに、最後の最後で何で失敗したなーって」

「失敗でもないよ」

「え?」

「僕がこうやって、部屋に来る理由をくれた」と言いながらフワっと隣に座る

凹んでて何も食べていないところへ一気に飲んだドンペリが回ってきてフワフワする
またグラスにドンペリが注がれる
「飛行機で隣になった時、初めて会った気がしなかったんだよな」

「そうですか。ありがとうございます」
タツミ社長はピッタリくっついて座りながら頭をよしよしと撫でてくれた
「1週間、頑張ってたよ」そう言われて涙が溢れる。
「ずっと緊張してたでしょ?」不意に抱きしめられた
お父さんに甘えるようにそのまま胸で泣く私。
タツミ社長は頭や背中をなでながら、ずっと抱きしめていてくれた
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