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セックスと愛とフレグランス
第4章 ラチッタデラ
「仕事だよ、仕事。いくら趣味と実益を兼ねた仕事でもみんなが楽しんでるのに働くってのはやっぱり苦痛だな。じゃ、そういうことで」
ガンバレよ、と告げた直後に通話が切れた。
通信が途絶えたスマホを見つめながら智広は思わずため息を漏らした。
いよいよ決断する時がきたようだ。
深呼吸を二度繰り返す。
肺に大量の酸素を送り込むことによって高ぶっていた気持ちが幾分落ち着いてきたようだ。
生唾をごくりと飲み込み建物の陰から道路に身を投じた。