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第6章 ハイスクール

晴れやかに挨拶する愛先輩の表情を見て、清々しい気持ちになったのは智広だけではないだろう。

三年生たちは陸上部を引退すると、ぱたりと部活には顔を見せることはなくなり、校内でも見かけることはほとんどなくなった。

愛先輩と智広とは生活圏が全く変わってしまったのだ。

愛先輩からは、卒業後の進路を知らされていないので大学へ進学するのか就職するのかは不明だった。

兄の孝介に愛先輩の進路について聞いてみようとも考えたが、変に勘ぐられるのが嫌だったので智広から問いかけることはしなかった。