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第11章 嫉妬

奴の歪んだ顔を目に浮かぶようだった。

「お前ね。仕事中にフーゾクってありえないだろ」

「バカだね。俺がフーゾクにいくのは仕事だよ。調査調査。単なる性欲を満たすだけじゃないのよ。店内の内装はどんな感じなんだろうとか……」

わかったよ、と佐目の言葉を遮った。

このままだと延々と風俗業界の薀蓄を語りだしかねない。

「まあ、相手をしてくれた女の子はよかったが、お店の雰囲気は最悪。従業員の印象も悪かったなぁ。だから金の無駄だと思うぞ。チェリーにいくくらいならこの前いったコンセプト居酒屋で女の子のお尻を眺めていた方がずっといい」

智広は、先日佐目とともにいった店名を挙げた。