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約束のピンキーリング
第7章 ン 
「中村さんちょっと来て」

エントランスの真ん中で穏やかではない雰囲気で話す私たちは
にわかに注目を浴びていて
遠巻きに私たちを見る人たちから私を守るように
岡本主任は私の手を取って、歩きだす。

「岡本主任、第1会議室使用可能です」

後ろから柳下くんがそう小さく声をかけてくれた。

その言葉に、岡本主任は苦笑いして

私の手をつかんでいる反対の手を軽く上げて
柳下くんに感謝の意味を示した。

第1会議室はめったに使われない会議室で
その階はひっそりとしていた。

会議室に入るなり、鍵を閉めてソファーに向かい合って座る。

「結婚前提の合コンって、どーゆー意味だよ」

静かに話しだしたその声は、自分の怒りを抑え込もうと必死になっているのが分かる口調で
岡本主任は大きくため息を1つついた。

「・・・」

「答えろよ。答える義務があると思うけど?」
「・・・・」

「なに?俺をもてあそんでんの?」

もてあそんでるって・・・

「なに?」
「もてあそんでるのは、そっちでしょう?」
「は?」

「私と結婚するつもりなんかないくせに!」
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