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第1章 夜啼鳥の小夜曲

純白の褥にそっと丁寧に笙子を下ろす。

今宵も夜着は白綸子の寝巻きだ。
白一色の無垢なそれは、さながら幼妻の花嫁衣装のようだ。
穢れなきお伽話の姫君のような姿に、岩倉の牡の本能が激しく滾る。

恐怖を与えないように、その黒髪をゆっくりと撫でる。
指の間をすり抜ける絹糸のような黒髪を撫でながら、笙子の瞳を見つめる。
今にも泣き出しそうな…しかし、熱を帯びた瞳だ。
その瞳をじっと見つめたまま、語りかける。
「…笙子さん、貴女に触ってもいいですか…？」
…まだ、笙子の身体に触れたことはなかった。
笙子は胸元に合わせた手をぎゅっと握りしめ、頷いた。
その手に触れ、指先に愛おしげにキスを落とす。
「…貴女の…胸に触れます…」
直接的な言葉で伝える。
握りしめた手が強く握り返される。
「…は…い…」
蚊の鳴くような声が震える唇から聞こえた。
岩倉はそっと手を伸ばし、美しい丘陵を描く笙子の乳房に夜着越しに触れた。

…それは、淡雪のように儚げな柔らかさを秘めた乳房であった…。
「…ああっ…！」
高く掠れた叫び声が放たれる。
「力を抜いて…怖くないですよ…」
滑りの良い夜着越しに、やや小振りな乳房をその像を確かめるように柔らかく握りしめる。
「…んっ…は…ああ…」
笙子は枕に貌を埋めるようにして、初めての羞恥に耐えていた。
両の乳房を柔らかく…緩急を付けて揉みしだく内に、笙子のその珊瑚色の唇から、甘やかな喘ぎ声が漏れ始めた。
「…気持ちいいですか…？」
「…は…い…いい…です…」
笙子は素直に頷いた。
その稚い従順さが、岩倉の男としての本能をいたく刺激する。

努めて冷静に語りかける岩倉の声にも、次第に熱が帯びてくる。
情動を抑えながら、笙子の唇に熱い口づけをする。
「…見せてください…。貴女の身体を…。生まれたままの姿を…私に見せてください…」
「…い…や…はずかし…い」
身悶えながらいやいやをする笙子に甘く優しいキスの雨を降らせる。
「…んんっ…ああ…はあ…っ…ん…」
甘い吐息と切なげな声を上げながら、笙子は岩倉にしがみついてきた。
一度強く抱きしめ、その薄桃色に染まった耳朶にそっと告げた。

「…脱がせますよ…笙子さん…」