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第27章 愛

昨夜は、新堂が一旦この部屋から去った後、本山と田中に明け方まで犯された。

どうやら事前に許可がおりて居たらしい。

特に本山は、久々に亜美のカラダにありつけた悦びで、何度も何度も、その薄汚い欲望の塊を亜美の膣内の奥深くに放った。

途中、田中に気づかれないよう耳元で、「スマホのことはバレていない」と言った。

罪滅ぼしのつもりか、せめてもの償いかーー。

亜美はそれでも、もう本山を恨む気にはなれなかった。

彼の立場を考えた時に、どうしようも無かったであろうことは容易に想像ができる。

そしてこの田中も、つい興味本位でしたことが、まさか犯罪の片棒を担ぐことになろうとは想像もしていなかっただろう。

自業自得とはいえ、職まで変えざるを得なくなったのだ。

そのことだけ見れば、それは田中にとってはメリットかもしれない。

自由に手出しはできないとしても、四六時中亜美と一緒に居られるだけでなく、これまでより安定した職を手に入れたのだ。

しかし、新堂と関わってしまったからには、当然、いつかその代償を支払うことになるであろう。

田中はそのことを知ってか知らずか、こうして亜美を監視することを選んだ。

またしても不幸な人間が一人増えただけだ、亜美はそう思っていた。

今頃、亜美が居ないことに気がついた雅彦が大騒ぎしているかもしれない。

慎二はどのようにシラを切ったのだろうか。

もう健一の耳にも入っているかもしれない。

そしてこれから新堂はどう立ち回るのだろう。

いくら考えたとして、囚われの身では亜美が介入できることなど何ひとつ無かった。

何より、貴之のことが気がかりだ。

幸い、新堂に『タカ』の正体はバレていない。

バレるとしたら慎二が何か行動を起こした時だが、尻尾を巻いて逃げた男だ。このまましらばっくれるのは目に見えている。

明日行われる予定だった貴之達との話し合いは、亜美が不在のこの状況でどうなるのであろう。

きっとそれに関しても、新堂がまたよからぬ事を企んでいるに違いない。

亜美は自分こそ窮地に立たされていながら、それでもこの小部屋から貴之とその両親の無事だけをただただ祈っていた。

すると、玄関をノックする音がする。

チャイムを鳴らすのではなくノックすることで、それが新堂もしくは本山だという合図だった。

田中が玄関の覗き孔から外を確認する。