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セイドレイ【完結】
第27章 愛
「けっ…カッコつけちゃってさ。結局、何だかんだ言ったってお前も亜美とヤリたいだけじゃんか。そりゃ後からなら何とでも言えるだろ。でも、避妊もしないでセックスしてたのは事実じゃん?てことは、俺もお前も一緒ってこと!まぁ、チンポは俺の方がでかいけどね~」

「…俺の方がでかいんで、一緒にしないでもらっていいっすか?」

「あぁ!?ったく、なんだよこのクソガキ!亜美もこんな奴のどこが良かったんだか…」


男同士、下らない意地の張り合いによってついつい話が逸れてしまう。
貴之が話を仕切り直す。

「……そんなことより、今は亜美がどこへ行ったか考える方が先決ですよね?このことは、あんたの親父さんとかも知ってるんすか?警察には誘拐として捜査してもらってるんすよね?」

「あ…いや…そ、それはね……届け出は…してるんじゃないかな?親父が…多分……知らんけど。俺、親父と仲悪いからさ…」

「…はぁ?ちょっと待てよ、ただの家出とは違うんすよ?何を呑気なこと言って…亜美は誘拐されたんすよね?あんた一緒に居たんじゃないんすか!?」

「そ、それがさ…俺もその場に居た訳じゃないから…昨日一緒に居た田中さんの家に…あの後行ったんだけど。俺がちょっと用があって外出してる隙に…そう、そうだ!その時、田中さんが犯人を見てるんだよ!『タカ』が亜美を連れ去って行ったって!確かにそう言ったんだ。だから俺は…お前が送ってきた画像から位置情報を追ったら、それがお前ん家のマンションだったから…お前がてっきり犯人じゃないか、って…」

「…俺じゃないっすよ。てかそれ、田中さんが怪しくないっすか…?」

「うーん…実は俺も、ちょっとそれは気になってはいたんだけど……」


その時、話し込む二人の元に、ある男が声をかける。


「…慎二!?お前、こんなとこで何やってんだ!?亜美が居なくなって大変だって時に!!」


「あっ、兄貴…!兄貴こそどうしてここに…!?」


そう、二人に声をかけてきたのは、亜美を探しに外へ出た健一だった。

「どうしてって…俺は今、とりあえずこの辺のコンビニとか店とか回って、亜美を探してんだよ!そしたらたまたまお前を見かけて…てか、その子は誰なんだ?」

健一は、貴之の姿を見たことが無かったため、それが誰なのかを尋ねる。

「あっ…こ、こいつは…あれだよ。亜美の彼氏…」
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