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女ざかりの恋の音色は
第6章 忘れてたキスの甘さ
「あ・・・・・蒼井さんは、私が・・・・・す、好きなんですか?」
「好きじゃなかったらこんなこと言わないよ。樫野さんも、そう思ってくれてるって思ってるんだけど、勘違い?」
「・・・・・・・・・勘違いじゃ・・・・・ないです・・・・・・・」

理志はにっこり笑うともう一度唇を合わせた。

先ほどより優しくゆっくり芙実の舌と唇を味わうように、好きだという感情がこもったキスだった。
気持ち良さにうっとりとし、身体の力が抜けていく。
理志が両手で耳たぶを優しく撫でたり摘んだり、キスと同時に愛撫する。
官能が刺激されふるふると身体が小さく震えるのを抑えることができなかった。

「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・・んん・・・・・・・」

胸の先端がツンと硬くなるのがわかる。下半身がキュン、として芙実の性的欲求にスイッチが入ったみたいに理志とキス以上のことをしたいと思ってしまう。

「そんなエロい顔されたら、どうしたらいいか迷うな」

理志が唇を離して囁いた。

芙実は頬に両手をあてた。
そういうことが顔に出てしまったことに気付いて恥ずかしくなる。
慌てて、先ほどの話題を出す。

「私・・・・・・。正直に言うと、なんで私なんだろうって思ってます・・・・・。蒼井さんなら、もっとずっと可愛くておしゃれな子とつきあえるのに、よりにもよって私みたいな女選ばなくてもって。一時の気の迷いというか、気まぐれなんじゃないかって。私自身も、蒼井さんが好意を持ってくれてるから、好きになったんだと思うし・・・・・・。蒼井さんのこと、まだ良く知らないのに、いいのかなって・・・・・・」
「そんなに真面目に考えなくても、もっと一緒にいたいなぁとか会いたいなぁって思うなら、率直にその感情に従ったらいいんじゃないの?相手のことだって、付き合う過程で少しずつ知っていくものでしょ?俺のこと、もっと知りたいと思わない?」

理志が芙実の目を覗き込む。
理志の澄んだ瞳が間近に見える。芙実は理志の真意を探ろうと、じっと見つめた。

「思います・・・・・・・」
「キス、もっとしたい?」
「・・・・・・・はい」

理志が目を伏せて唇を薄く開く動作が、あまりに色っぽくクラクラした。

理志の官能的なキスに翻弄され、欲情し、安心する。
経験したことのないときめきで一杯になった夜だった。
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