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人妻奈津美の秘め事
第1章 彼は小学一年生
我が家は銀行マンの夫、坂本祐介(46歳)と来年高校受験を控えている一人息子で中学三年生の祐太(15歳)の三人家族だった。

決して裕福ではなかったが、特に不安や不満もない細やかながらも幸せな毎日を送っていた。


我が家の朝は忙しかった。

夫は毎朝7時過ぎには家を出るし、息子はギリギリの7時30まで寝かしてあげて、起きたらすぐに朝食を摂らせて学校に送り出してやらなければならなかった。

「母さん、弁当は?」

「はいはい、できてるわよ!」

「母さん、体操着は?」

「大丈夫よ、ちゃんと洗濯して用意してあるから!」

いつもこんな調子だった。

夫と息子を送り出してもそれで終わりではない。

掃除、洗濯、お買い物、etc・・

専業主婦といっても、家でゴロゴロしている訳にはいかないのだ。

その日も午前中に掃除、洗濯を済ませた私は午後からお買い物に出かけたのだった。

「こんにちは」

「こんにちは」

すれ違う顔見知りのご近所さん達と挨拶を交わしながら、自宅から歩いて15分の所にあるスーパーを目指す。

近所への買い物だから、今日の私の出で立ちは普段着のブラウスにカーディガンを羽織り、花柄のフレアスカート姿だった。

「奥さん、今日もお綺麗ね♪」

「そんな事ないですよ!」

前から歩いてきた町内会長の遠藤さんの奥さんが声をかけてくれた。

この奥さんは私に会うたびにいつも『綺麗だ』とお世辞を言ってくれるのだった。

40を過ぎて、綺麗だなどと言ってくれる人もいなくなり、もう自分は女ではないのだ・・と寂しく思う時もあるこの頃だが、お世辞でも褒めてもらえると嬉しいものだった。



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