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我が運命は君の手にあり
第9章 第九章
例年の花展なら夕方近くになると来場者が途絶えていた。ところが今回は閉会時刻まで客足が伸び、特に最終日の今日は、二十代と思われる若い女性が目についた。

「これ、何ていう花ですか?」
「紫の花はリンドウ、枝に紅い実がなっているこれはサンザシ、白は菊です」

スタッフの説明に頷いた二人は、「サンザシって初めて聞く名前だよね」と、顔を見合わせた。

「興味がおありでしたら、無料体験してみませんか?」
「え、無料で?」
「ちょっとやってみたいね」

側にいた遼が二人を受付へ案内した。

「秋津さん、体験ご希望の方です。申込用紙を二枚お願いします」
「はい。ではお客様、こちらにどうぞ」

二人は遼をちらちらと気にしつつ、冴子が差し出した用紙を受け取った。彼女達が書き込むのを見守る冴子は、遼に一瞥もくれることはない。

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