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Minerva 〜闇の社交場で生贄となった少女〜
第1章 〜早紀の決意〜
でも....今は海外に行くのがつらいんです....

あの人から遠く離れた場所にいることが苦しい。

あの人の優しいキス。

落ち着いた声、少しゆったりとした話し方。

彼と肌を合わせ、腕に抱かれ、髪の毛を撫でてもらう。

生まれてから頭を撫でてもらって嬉しかったのはふたりだけです。

ひとりは名前も知らない年下の男の子。

私が泣いてるときにお菓子もくれたのを覚えています。

もうひとりは、もちろんあの人。

あの暖かさに包まれる経験をしてから、今まで気丈に創り上げてきた自分がバラバラになっていく。

あの人の前では、私はただの女の子になってしまうんです。

でも、あの人にはそれを悟られたくない....


あの人は私のことを好きだと言ってくれました。

「僕も早紀さんのこと好きです」

うん、言った。言ってくれたんです。

嬉しくって、何度も頭の中でリフレインしました。

そのうち、自分で声だして真似なんかしたりして。

そしたら、脳内の音声記憶が私の声になっちゃいました。

何が言いたいかと言うと、とにかくあの人が好き!愛してるんです。

彼は、自分がポリアモリーだと言っていました。

だから、きっと郁美のことも好きなんです。

あの人が郁美を優しく抱いているのを想像すると、胸が苦しい....

あの人はどれぐらい私を愛してくれているだろう....

こんなこと、あの人には言えない。

でも、もう苦しいんです。

あの人の愛を測りたい。

あの人に嫉妬してほしい....

だから....あの地獄にもどることを決意したんです。

ミナーヴァ....

闇の社交場。

いえ、そんな優しいものではないんでしょう。

それが、その場所を指すのか、その組織を指すのかもわからない....得体の知れない深い闇。

私はかつて、そこで生贄として捧げられました。

あの人は私の全てを知ったときどうするのだろう....

きっと....また優しく包んでくれるはず。
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