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第4章 婚約者

村井英二……

彼に初めてあったのは2年前。
私は飲食店で働いていた。
よく、来てくれるお客さんだった……
噂では不動産関係の社長さんらしいと
いうこと。週に2～3回お店で
見かける常連さんという感じだった……

いつも小綺麗なスーツで誰からも
好かれるような……見た目。
爽やかで優しそうな人柄が見てて
わかるような人だった……


でも、私には関係のない場所の人だと
思っていた。


私は人と関わるのは苦手なので
あまり接客の方ははずしてもらっていた。
裏方の仕事の方が気が楽だった……

私はトイレ掃除をしていたときに
彼が入ってきた……

『どうぞ』

私はトイレを出ようとした時……

『待って……君と話してみたいんだ……』

『話し？』

『何時に終わるの？』

『今日はもうすぐ終わりです』

『そこの角のカフェにいるから、帰りに来て』

と言って彼は出て行ってしまった……