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舞い降りた天使
第8章 失望
何言ってんだ俺は

さっちゃんを置いて
真穂が来るわけがないのに


「ごめん。
俺、ひどいこと言った。
本当にごめん。
今の忘れて」


「ううん、いいの。
一瞬でもいい
できれば
私も降りて行きたい」


「真穂…」


「今日
さっちゃんいっぱい泣いたの。
…色々あって。

だから
行けない。

一瞬だとしても
私が居ないその一瞬に
もしもさっちゃんが起きて
私が居なかったら

また
悲しむから。

これ以上
さっちゃんを泣かせたくないの」


俺の脳裏に
さっちゃんが薄暗い中
不安そうにしている姿が浮かぶと
ほんとにそうなったわけでもないのに
俺の目は涙で潤んだ


「うん。
俺もさっちゃんを
泣かせたくない」


「ありがと
せっかく来てくれたのに…」


「いや、来てよかったよ。
遠くても真穂のこと見ながら話せて
ほんとよかった。
俺、心配で
どうにかなりそうだったし」


『色々あった』という真穂の言葉で
何があったのかを
話すつもりはないんだと思った

なら尚更
こうして遠くからでも
真穂を見られて
よかった


「巧くん」

「ん?」


「明日…何してる?」

明日は土曜だ
もちろん俺は何も予定がない
もしかして…

「何もしてないよ。
予定は何もないんだ。
朝早くから起きてるし
真穂がいつ来てもいいように
部屋も綺麗にしてある。
真穂が来てくれるなら大歓迎。
何時に来る?」

「クスッ(笑)」

やっと
真穂が少し笑った

「え?」

「まだ行くなんて言ってないのに」

「来てくれよ」

そう
真穂が頼むんじゃない
俺が頼むんだ
真穂が頼むと
真穂はいつも俺に謝るから

「…うん」

「やった!
何時?」

「10時には行ける」

「めっちゃ嬉しい」

今したくてもできないこと
したいから

「そんな」

「ほんとに」


「巧くん…」


「ん?」


「ミサンガ」


「うん」


「しばらく付けててくれる?」


「もちろん。
自然に切れるまで付けてるって
もう決めてるから」


頼まれたからじゃない
願いが叶わなくたっていい
さっちゃんが喜ぶなら


「ありがと」
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