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舞い降りた天使
第9章 告白

好きだと告げたら
真穂は
俺から離れてしまうと思っていた

だからずっと
言えないままだったんだ

けどもう
言うしかなかった

言わなきゃ多分
もう俺と真穂は
終わりだったから


「…嘘」

真穂は
驚いた顔をした後
力無くそう呟いた

「嘘じゃないよ。
真穂を
連れ去りたいくらい好きだ」


「そんなの信じられない。

だって
そんなはずない」


「なんで?年上だから?
結婚してるから?
子供がいるから?」


「……」

多分図星なんだろう

真穂は
黙ったまま
俺から目をそらした


「俺は
さっちゃんを
一生懸命育ててる真穂を
好きになったんだ。

結婚してるけど
好きになって
年上だけど可愛くてたまんなくて
さっちゃんのことも
愛おしくて…

だから真穂に優しくした。

同情なんかじゃないんだ」




「……」



どうすればいい


これから俺は
どうすればいいんだ


真穂は
黙ったままで
どんどん時間が過ぎていく


何を言えば
真穂は
俺を振り向いてくれるんだ…


真穂の腕を握ったまま
そう考えてると
真穂が
小さな声で呟いた


「それが本当だとしても

だめだよね…」

だめ?
じゃあ俺達…終わり?

ほんとにこれで
終わりなのかよ…

だめって何だよ
じゃあ何が正解なんだよ…

「ほんとにだめな事なのかな…」

「……」

「旦那に
あんなひどいことされて
誰かに優しくされたいと思うことが
そんなにおかしいことなのかな。

精神的に追い詰められて
子供の前で笑うことさえ
そのうちできなくなるんだ。

そうなる前に
癒されたいと思うことは
そんなにダメなことなのかな。

そんな真穂を見て
救いたいと思うことが
そんなにダメなことなのかよ…」

そこまで言うと
真穂が顔を上げて俺を見つめた

「真穂」

「……」

「俺のこと嫌い?」

真穂は
小さく首を振って
目に涙を浮かべた

「それでも不倫がダメって言うなら
俺はストーカーになるよ。
犯罪者になる。
真穂に
つきまとうウザい奴でいい。

不倫だって言われずに
真穂とさっちゃんを癒せるなら
そうする」


「巧くん…」

「それでもダメ?」

真穂の手を
俺の手で優しく包み
俺は
もう一度真穂に質問した


「真穂

俺のこと

好き?」








「……すき…」


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