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舞い降りた天使
第11章 覚悟

「駿太、入っていいか?」

「いいよ」

いつになく
そっとドアを開けて
中を覗き見ると
駿太はベットに寝転がって
漫画を読んでいた

「入るぞ」

「いいって言ってんじゃん。
てかいつもなら
タクニイ
ノックもしないで入ってくるくせに」

駿太は
落ち込んでる俺の気持ちを察してか
わざと悪ぶったことを言いながら
ベットの上に胡座をかいた

「そうだっけ?」

「そうじゃん」

「座っていいか?」

そう言ってベットを指差すと

「なんだよ気持ち悪いなー
そんな言い方すんなよ」

駿太はふざけて
俺に漫画を投げつけた

「痛っ!
漫画投げんな!
しかもこれ
オレが買ってやったやつだろー」

俺は駿太の髪をぐちゃぐちゃにすると
軽くエルボを食らわした

「うーわやめろー
死ぬー死ぬってー」

「死なねーよ
こんくらいで(笑)」

「死ぬ死ぬ死ぬ~
はなせって~
罰として漫画買わせてやる~~」

「あはは(笑)
そんくらいいつでも買ってやるよ」

「マジで!!タクニイ絶対だからな!」

「なんでお前が偉そうにしてんだよ(笑)」

はしゃぐ駿太は
俺を元気づけようとしてるんだろう

「ありがとな、駿太」

「え?」

「いや…」


「母さんに…怒鳴られた?」


駿太はちょっと心配そうな顔で
いや
申し訳なさそうな顔で
俺を見つめた


「いや、そんなことはないけど…
心配されたよ」


「……」


「お前にも心配させて悪かったな」


「タクニイ…」


「ん?」


「……不倫なの?」







「……あぁ」



駿太はまだ中二で
まだまだ子供

こんなこと
話ていいのかって
マジで思ったけど

裏切りを嫌う年ごろの駿太には
もう
嘘をつきたくなかった


俺の弟みたいで可愛くて
ダチみたいで
めちゃくちゃ大切な駿太に
嫌われたくはなかったけど

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