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舞い降りた天使
第18章 密室
その日の夜

さっちゃんは
お風呂に入るとすぐ眠りについた


「疲れたよな。
初めて行く場所で
子供とはいえ
初対面の駿太と二人きりだったんだから」

「そうね…
でも楽しかったって言ってた。
それにね」

「ん?」

「駿太くんは
少しタクニイに似てるって言ってた」

「え?どこが?
中二だぜ?」

「クスッ。
私は少し分かる気がするんだけど」

「あーまた子供扱いー」

さっちゃんが眠って
二人きりになった空間

俺は
明日にはもう会えなくなってしまう真穂を
そう言ってふざけながら抱きしめた

「巧くん、ダメ」

分かってる
さっちゃんのこと気にしてるんだろ?
この部屋がワンルームなことを
こんなに悔いるとは思わなかったよ

「ダメって言われると
もっとしたくなる。
なぁ、本当に明日出て行くの?」

「…うん。
私からあの人に連絡しないなんて初めてだから
もうおかしいと思ってると思うの」

「…確かにそうだよな」

「だからもう」

真穂は
寂しそうな顔をしながら
俺の頰を指で触れた

「ん?」

「巧くんのエクボ
見られなくなるの…寂しい。
好きなの、エクボ。
巧くんの笑顔見るとホッとするの」

「俺も寂しいよ。
俺なんてさっちゃんにも会えないんだぜ?」

そう言って笑って見せると
真穂は引っ込んだエクボを
指で触りながら
優しい笑みを浮かべた

優しい笑みだな…
こんな優しいお母さんが
俺にも居れば良かったのに

「真穂…」

「ん?」

「抱きしめて」

「でも…」

「甘えてると思われてもいい。
年下で子供みたいだと思われてもいい。
真穂に抱きしめられたい」

「巧くん…」

「真穂、こっち来て」

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