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舞い降りた天使
第19章 別れ
こんな聞き方は
ずるいのかも知れない

でも
嫌いだと言って欲しい

もう会いたくないと言って欲しい

そう思いながら
桜と目を合わせると
桜は慌てた顔で喋りはじめた

「お母さん
私、絶対に
お母さんと一緒がいい!
お母さんがいい!」

「え?」

「やだ!
お母さんがいい!」

そう言い終わると
桜は私にしっかりと抱きつき
私から離れようとしない

離婚するなら
自分はパパに引き取られたくない

きっと桜はそう言いたかっんだと思う


桜はよく気のつく人見知りな子

私が
離婚を考えていることなんて
とっくに気がついていたのかも

もしかしたら
巧くんの事だって…


「さっちゃん
お母さんは
さっちゃんとずっと一緒だよ。
さっちゃんとずっとずっと一緒だから
安心して」


「本当?」


「ほんと。
ほんとにほんと。
さっちゃんと離れるなんて
お母さんっ…考えられないから…」


私の胸の中の桜を
しっかりと抱きしめながら
私は
必死で涙を堪えていた

あの人に
桜を連れて行かれることを想像しただけで
私の胸は張り裂けそうで
悲しくて…怖くて
どうか
桜を側に居させて下さい
と、心の中で何度も叫び続けた

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