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舞い降りた天使
第23章 プレゼント

「さっちゃん、ありがとう。
ほんとに嬉しいよ。
けどすごいなー…
前にくれたミサンガも
すごく上手く作ってると思ったけど
今度のはもっと上手くなってる。
ほら見て」

俺は腕をテーブルに置き
前にもらったミサンガの隣に
新しいミサンガを置いて見せた

「しっかりしてるし
目がそろってて綺麗。
あ、てことは
これで俺、二つ願いが叶うな!」

すると
さっちゃんは
クスッと笑いながら
口元を手で隠した

ふと、その手を見ると
さっちゃんの手首にミサンガは無い
さっちゃんはしないのかな…

「さっちゃんはミサンガしないの?
願いごととかないの?」

そう言うと
さっきまで微笑んでたさっちゃんから
すっ…と笑顔が消えた

「…あのね
持ってるんだけど
学校に付けて行っちゃいけないから
付けてないの」

「あー…そっか…」

学校に行っていないのに
学校に付けて行ってはいけない…か…
微妙なことを
言わせてしまったなと反省していると
さっちゃんは
少しうつむき加減で話を続けた

「ほんとは付けたいの。
お願いごとがあるから」

「うん、あるよな、誰だってあるよ」

「私
…学校行きたい」

さっちゃん…

俺の目頭が一瞬で熱くなるのが分かった
けど
泣きたいのは
さっちゃんの方

俺が泣くわけにはいかない

俺は今
さっちゃんになんて言えばいいんだろう
「行けるよ!」
なんて無責任なこと言えないし
さっちゃんは行きたいと思ってるのに
「行かなくていいよ」
とも言えない…

俺が
数秒言葉に詰まっていると
さっちゃんの囁くような声が聞こえた

「あとね…」

「ん?あと…何?」


「あと……
タクニイとお母さんに
結婚して欲しい」

え?
え?え?え?

あまりにも予想外の展開に
俺はかなり慌ててしまった


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