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舞い降りた天使
第7章 桜

翌日

俺は朝早くから
会社に向かっていた

最近
真穂と同じくらいの時間に
仕事をするようにしてるからだ

駐車場に車を停めると
もう真穂の車が停まっていて
俺は足早に事務所へと向かった


「おはよ、徳永さん」


「あ…栗原くん
おはよう…ございます」


まだ事務所には
他の誰も来ていなくて
俺と真穂の二人きり

それでも真穂は
よそよそしい仕草で
俺に挨拶をした


俺は一度席に着いて荷物を置き
パソコンの電源を入れると
ハーブティを準備して
真穂の隣の席に座った


「はい、どーぞ」

「あ、ありがとう」


俺は
なんだか恥ずかしそうにする真穂に
熱いハーブティと
真穂が素敵だと言ってくれた
エクボが出るほどの笑顔を渡した


「ついでだから」

「うん、ありがと。
これは…何?」

「ハーブの種類?」

「うん」

「大丈夫、シャタバリじゃないから(笑)」

「そういう訳じゃ」

シャタバリのことも
キスのことも
抱擁のことも
全部昨日の夜のこと

真穂が
妙に照れるのは仕方ない

そしてそれが俺には
たまらなく可愛いかった


「昨日、間に合った?」

「うん、大丈夫だったよ」

「それなら良かった」

ほんとは
死ぬほど寂しかったけど

「あ、栗原くん」

「ん?」

「クライアントからの変更連絡
そっちのグループまで話行ってる?」

「いや、俺のところには」

「そっか…」

「急ぎの変更?」

「そうなの。
栗原くんのグループまで
話がいってないなら
こっちのグループで全部やるってことね。
忙しくなりそう(苦笑)」

「あんま無理すんなよ?
と言っても
終わるまではやんなきゃなんだけどさ」

「うん。
頑張るしかないね」

「じゃ、邪魔しないように
俺は席に戻るよ。
頑張って」

「うん、ありがと」

「じゃ」

「あっ」

俺が別れ際に
頰に軽くキスをすると
真穂は
すごく驚いた顔で周囲を見渡した

「く、栗原くんそーゆーことは」

「はいはい(笑)」
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