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舞い降りた天使
第7章 桜


「お待たせ…」

休憩室で待ってると
真穂がドアから顔をのぞかせた

「早かったね。
さっちゃんは?」

そう言うと
赤いランドセルを背負った
小さな小さな女の子が
真穂の背中から顔を出した

俺はすぐに
さっちゃんの近くまで移動して腰を屈めると
得意のエクボを見せて笑った


「こんばんは。
はじめまして、桜ちゃん。
今日はよろしくね」


「……」


さすが人見知り

さっちゃんは
かなり固い表情で
黙っていた

「さっちゃん
ご挨拶は?」

と、真穂が声をかけると

「徳永桜です。
よろしくお願いします」

さっちゃんはそう言って
ちょこんと頭を下げた

「わーお利口さんじゃん。
さっちゃんって呼んでいいかな」

「…うん」

「よかった。
じゃあさ
ここでお母さん待ってようね」

「…うん」

「ごめんね栗原くん
よろしくお願いします」

そう言って
二人の晩御飯を俺に渡すと
真穂は職場へと戻って行った


「じゃ、ここ座ろうか。
さっちゃんお腹空いてる?」

「うん」

さっちゃんは
基本人見知りみたいだけど
学童にも行ってるし
小学2年だし
俺が思ってたよりは
大丈夫な様子だった

でもとりあえず
俺はあんまり
さっちゃんに話しかけないようにして
2人で弁当を食べた

とは言っても
黙ってたわけじゃない

俺は独り言のように
弁当のことや
職場での真穂のことを話した

やっぱりお母さんのことは気になるのか
俺が真穂のことを褒めると
さっちゃんは
嬉しそうにしていた
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