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君に熱視線゚
第46章 恋の片道切符二枚組

住宅街に横付けされた車の中。時折、通る対向車のライトに照らされる薄暗い車内で晴樹はきょとんとした表情を返す苗を見つめた‥


「話って?」

「‥‥ん‥。」

「‥?」


「苗は‥大丈夫だよな…?」

「え?‥」


「苗は‥

俺が居なくても大丈夫だよな…?」

「‥‥‥?‥兄さん‥
何言ってるだかね?」


「───‥ッ‥‥」


晴樹の言葉の意味が理解出来ず首を傾げる苗の無垢な仕草に晴樹の表情は次第に歪み始めた。

「明日から‥
ニューヨークに行ってくるから…。」

「ニューヨーク?」


聞き返す苗に晴樹はゆっくりと頷く。

「あぁ‥」

「‥何しに?」


「ちょっと‥うちの会社のことで‥‥‥
だから、これからの苗の身辺のことは理事長に頼んでるから…」


「──‥理事長に?」


「あぁ‥だから心配はな…」

「──…っ…いつ帰ってくるのっ」

間発入れずに苗は聞き返す。

「………」

「いつ!?」

「わからない…」

晴樹の腕を掴み追求する苗に晴樹は目を伏せゆっくりと首を振って笑って見せる…

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