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君に熱視線゚
第52章 君に熱視線゚〜愛の鈍行列車〜

「なんだ姉ちゃん達プロレスやってんのか!兄ちゃんの帰国祝いでごちそう作るから母ちゃんが早く来いって言ってるぞ!」

ベッドの上の晴樹と苗を見て三つ子はそう叫んでいた。

服を着たままで良かった……

晴樹はそう思いながら抱えていた苗の足を解放した。

しかし、何故にウチの鍵を持ってる?

晴樹は疑問を浮かべ、空の手に握られたマンションの鍵を見つめながら緩めたネクタイを首から外した。

「みのりのオムツと洗剤持っていくからなー!」

勝手知ったる我が家のように、奥の部屋から荷物を運び叫んでいる。

晴樹達のマンションは、田中家に仕舞いきらない買い貯めた品の備品庫となっている。いつでも取りに来れるよう、スペアの鍵は田中家にも常備されていた。
苗は慌てて先に実家に向かう。

これじゃ、おちおちヤることもヤれねえぞ……

晴樹は額に焦りを浮かべ普段着に着替えを済ませると、荷物を抱える三つ子の後ろ姿を追いながらマンションを後にした。

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