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君に熱視線゚
第53章 恋の修羅場ラバンバ!



「みんな、弁当は食べてるかー?」


ガタンゴトンと全体が揺れ動く。
ガヤガヤと賑やかな声がする。その中で声を張り上げた担任の教師が確認しながら何かの紙を前から配っていた。

「食べたら弁当の感想も書くようにな」

賑やかさの元凶。明るい生徒の返事が車内に響いていた。

海風香る海岸沿い──

車窓から望める風景を眺めながらの駅弁“竹鳥物語”が結構イケる。

竹の子ご飯に甘ダレの焼き鳥はハズレがない味付けだった。

本日は晴天なり──

短い空の旅を終えて列車で目的地へと向かう一行。

今日は結城学園の全学年が合同で参加する林間学校初日。

大人数の為に移動の列車や宿泊するホテルに旅館はほぼ貸し切り状態だ。

ただ、花火やサーフィンといった収益見込める夏期と違い、今時期は普段なら村全体が閑散としている。

その為か、今回のこの林間学校企画。結城学園ご一行様による経済効果はかなり期待できると予想される。

「準備は進んでいますかね?」

座席の隣にいた直哉が聞いてくる。
晴樹はパソコンを開いて直哉に見せた。

「一週間前には内装も済んでるらしいから、今日は下見も兼ねて皆の反応を見ることにする」

現地に先に入っていた村井から送られたメール。今回の極秘プロジェクトの進み具合を晴樹は直哉にも確認させた。

「おお、なんか低予算でかなり本格的になってますね…」

パソコン画面の写真を見て、直哉は冷や汗と生唾を飲み込む。

写し出された画像はなんとも不気味な雰囲気の漂う木造の教室だった……。

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