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愛のムチ
第2章 練習試合



 翌日。ウチの学校で練習試合をやるから、準備のために少し早めに部室に集まって着替えていると


 「あ、亜美、何?その首のところ……もしかしてキスマーク?」


 「……え?」

 
 自分では気が付かなかったけど、昨日先輩がイクのをサポートしてくれたときに噛まれた痕かもしれない。

 
 「そういえば先輩と居残って何してたの?」

 「ちょっとぉ、抜け駆けじゃない?ずるい!」

 「で、セックスしたんでしょ? どうだった? 先輩のテク、すごそうだよね」

 
 三人に囲まれて睨まれて、言い訳も思い浮かばないし、身動きが取れない。

 みんな怖すぎるよ……


 「おいおい、シてねえって。なあ? 亜美。ラケットの使い方を教えてすぐ帰ったよ」


 いつの間にか扉のところに立っていたらしい先輩が呆れた声で言う。


 「ノックしたんだけど返事がないから開けてみたら……朝から何の話だよ?」

 「あ!キャプテン、おはようございまぁす。今日もよろしくお願いしまぁす!」


 態度を一変させ、声のトーンも二つも三つも上げて先輩の側に駆け寄って媚びる部員達。


 「ふたりっきりで何もないはずないじゃないですかぁ……亜美だけずるいです」
 「キャプテン、試合前にあたしたちに気合を入れてもらえませんか?」
 「キャプテンのこのラケットで」


 ひとりが先輩の股間を撫でる。

 
 「おい、朝からサカってんなよ」


 迷惑そうに眉間に皺を寄せてそっと股間に伸ばされた手を振り払う先輩。いきなりこんなことをされたら嫌に決まってる。


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