この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
自由という欠落
第8章 痛みと親愛

 性に関心を持ち始めた年端の子供は、淫らな行為を経た先で得る感覚より、過程の作業に憧れるのではないか。


 教育というブラインドを用いて大人達が遠ざける、特別じみた遊戯。制約の少ない彼らには当然に認められた、酒や煙草に並ぶ娯楽。

 秘密にこもって貪る果実は、いつの時代もどこであっても、老若男女を痺れ上がらせるような蜜を孕む。



 Nも大人の目を盗んで、果実を啜っていた。

 善良で封建的な両親の下に成人したNは、義務教育期間中から、悪友達が不法に調達した雑誌やDVDの世話になって、保健体育の教師らがうやむやにしてきた性交渉の真理を求めた。



「大人の理屈は矛盾だらけだ。ポルノが俺ら子供にとって有害だって言うけどさ、理由は?」

「俺達が真似をしたくなったとする。トラブルや、特に相手に種を植えつけた場合、責任能力がないからだと言いたいんだろう。あいつらには責任能力があるらしい。だから俺達にとってセックスは有害で、あいつらには無害だ。実際、大人だって責任がとれるかは、個人差だがな」

「性交渉は、次の世代を産むプロセスです。……はんっ、保健の先生もよく言うよ。現実ヤリまくっているあいつらだって、誰もかもが、子作りなんか頭にもなくセックスしていることくらい知ってる。正味、男同士は?って話じゃん。どうせ大人も子供と同じ、受精させるつもりもないのに、エロいことして自分達だけ楽しんでいるんだ」


 Nが父親の会社に勤めて三度目の春、在学時代に懇ろだった上級生の自宅にいた中学生らが、そうした議論を交わしていた。

 世間が春休みの時期、Nの元上級生も、短い有給をとっていた。Nと同じテニスサークルに属していた彼は、久し振りに身体を動かさないかと、かつての後輩を誘ったのである。中学生のグループは、彼の甥と友人らだった。


 通常、Nは子供の無駄話に耳を傾けるほど暇は持て余していない。この日はただ例外で、卒業しても変わらず先輩と呼ぶ男が酒を買いに出かけていた間、Nは自分をもてなす相手をなくしていた。そしてトイレから戻る途中、半開きになっていた襖の向こうの会話に、うっかり足を止めたのだ。
/265ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ